マンションの大規模修繕工事とは?
気になる費用相場や工事業者の選び方などを解説

どんなに頑丈な造りのマンションでも、日々の紫外線や風雨の影響を受け続けるうちに、塗装のはがれやひび割れなどの劣化が目立つようになります。
初めのうちは小さな劣化ですが、放置しておくと、ひび割れやはがれ、欠けの部分から雨水が浸入し、建物内部を腐食させたりしてマンション全体の寿命を縮めることになってしまいます。
そこで必要になるのが、マンション内外の複数個所を修繕・改修する一連の工事、「大規模修繕」です。
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大規模修繕を実施するためには、標準的なファミリータイプのマンションで1戸あたり100万円になることもあるといわれる多額の費用が必要です。そのため、一般的には分譲時に拠出する、ある程度まとまった額の修繕積立基金と、毎月の修繕積立金を使っての工事となります。しかし、積立金だけですべてを賄えるとは限りません。実際に、大規模修繕が必要となった時点で一時的な分担金を集めないと工事ができないことも珍しくないといわれており、特に不足がでやすいとされているのが、修繕積立基金がない場合です。資金の不足は、金融機関からの融資で補うなどの大事にもつながる話です。

ただ、現実的に費用の捻出が無理となれば、工事対象を絞るか工事を先送りするかの選択となってしまいます。このような想定外の追加負担を避け、必要な工事を過不足なく行うためには、的確な修繕計画が求められるでしょう。また、費用に直結する業者の選定も重要なポイントとなります。

大規模修繕の具体的内容

まずは、大規模修繕の工事範囲についてみてみましょう。


大規模修繕の工事対象範囲となるのは、マンションの共用部分です。共用部分といえば、エントランスやエレベーター、駐車場、階段、廊下、外壁、屋上などが思い浮かびますが、ベランダや窓も共用部分に含まれます。その他、壁内配管、各戸の玄関ドアの廊下側なども共用部分です。ただ、共用部分のどこまでが大規模修繕の工事対象となっているかは、各マンションによって異なることがあります。


一般的な大規模修繕で行われる工事は、外壁・廊下・階段の補修と塗装、屋上防水の改修、給水や配電などの配管工事、エレベーターなどの設備に関する工事などがあります。東京で行われる大規模修繕と、地方の大規模修繕とで大きく違うところはありませんが、立地の地域性が当該マンションに及ぼす影響により、修繕箇所や修繕サイクルに差がでることが考えられます。


次に、工事別に内容をみてみます。


  • 外壁等の補修と塗装工事…外壁や階段、廊下などのひび割れや欠損などの損傷部分を直してきれいに塗装しなおす工事です。外部からよく目立つこともあって、大規模修繕の象徴的な工事といえます。外壁の補修と塗装は、概ね10年から12年までのサイクルで行います。工事の流れとしては、足場を組み、汚れを落とし、補修と塗装を行うというものです。また、他の補修と塗装が必要な箇所もあわせて実施すれば効率的です。ちなみに、共用部分のうち錆やすい鉄部分は3年から5年程度で再塗装するのが妥当とされています。

  • 屋上やバルコニーの防水工事…外壁同様に雨ざらし陽ざらしの環境にあるマンションの屋上やバルコニーは傷みが早いといえ、一般には10年から15年経過すれば修繕時期が近いと考えられます。防水にはアスファルト防水やウレタン防水などがあります。また、そのマンションに施工されている防水が露出かコンクリート押さえか、改修にあたって既存の防水を撤去してしまうか、上から施工するかなど防水の修繕にはさまざまな違いがあります。

  • 配管関係の工事…上下水道管や電気・通信の配管などはパイプスペースや壁内を通っているため、普段はあまり目にする機会がありません。それだけに、定期的な修繕が重要となります。大規模修繕としてのサイクルは、20年から25年が目安です。

  • 設備関係の工事…上下水道や電気・通信にもかかわる部分です。水道の分野では受水槽やポンプがあります。実施サイクルは受水槽で20年程度、ポンプで10年から20年が多いようです。電気・通信関係では、照明、避雷設備、受電・配電盤、放送受信設備、自動火災報知設備、消火設備、警報設備、MDFなどがあります。それぞれ性質の異なるものですが、概ね10年から15年を超えると対象となってきます。


その他では、エレベーターの交換もあり、20年から30年が目安といわれています。これらの設備には法令で定期的な点検整備が義務付けられているものもありますので、大規模修繕とは別に欠かさず行う必要があります。

 

大規模修繕にかかる費用の相場

大規模修繕の一般的な費用としては、ザックリと1戸あたり100万円程度が相場として考えられています。実際には、対象とする範囲(およびその面積や数量)によって変わりますし、範囲が同じでも劣化度合いが違えばかかるコストも変わります。また、マンションの形状や立地条件による工事難易度に応じた加算も考えられます。さらに、東京と地方とでは費用が変わるのも当然でしょう。


では、なぜザックリとはいえ100万円程度がひとつの目安になっているのかという疑問が生じます。その大きな要因として考えられるものに、実施する内容がある程度は同じになりやすいことと、マンション規模にかかわらず発生する基本的な費用の存在があります。また、各業者間の競合もあるため、極端に金額が上下することが少ないことも考えられます。業者が多く活動している東京なら、見積もり競合も激しいでしょう。


金額が大きく動く代表的な例としては、各種設備の交換を一度に行った場合があります。特に、エレベーターを交換すれば1000万円級の大きな金額がかかるため、1戸あたりの費用も膨らみます。1500万円かかったとすると、20戸しかないマンションなら、それだけで75万円です。50戸でも30万円かかります。


このように、大規模修繕の費用を考えるときは、交換する設備の有無を忘れないようにしましょう。

 

大規模修繕の
進め方について

大規模修繕工事を成功させる上で最も重要なのが「設計」と「施工」の2つのステップです。この2つのステップをどのように進めるか、どの業者に依頼するかを決めるのが、マンション居住者の最大のミッションと言えます。一般的に行われている3タイプの進め方を紹介します。


管理会社発注方式

管理会社にすべてを一任する方式。
丸
●業者選び等の手続きが不要
三角
●費用の内訳や工事内容が不透明になってしまいがち
●管理会社と関係のある施工会社に任せることになるため、競争原理がはたらかない(品質面・価格面ともに損をしやすい)

設計監理方式

設計監理(工事業者が図面通りに工事を進めているか、確認する業務)と施工を別々の業者に依頼する方式。
丸
●設計監理と施工についてそれぞれのプロフェッショナルに依頼でき、手抜き工事も防げる
●大規模修繕工事についての勉強や、工事業者とのやり取りに掛ける手間が少なく済む
三角
●修繕費用とコンサルタント費用が二重に発生する

責任施工方式

責任施工方式とは、工事内容の設計から施工までを、マンション居住者(修繕委員会)が選んだ業者に一貫して対応してもらう方式。
丸
●自分たちのマンションにどのような工事が必要か、そのためにはどの業者が最も適しているかを、自分たちで決めることができる
●費用面や工事内容の透明性が高いため、本当に必要な工事にのみお金を掛けることができる
三角
●理事会や修繕委員会が、大規模修繕工事についてある程度知識を身につける必要がある

適正な大規模修繕工事を
適正な価格で行うなら!

一般的に、大規模修繕は管理会社主体で進められるケースが多いです。しかし、あまり任せきりにしすぎてしまうと、知らず知らず損をしてしまう可能性も。もちろん、すべての管理会社がそうというわけではありませんが、業界の慣習的に、管理会社は工事業者とある程度繋がっており、住民の見えないところで紹介料等をやり取りしているケースが少なくありません。動く金額が大きい分、なるべく情報の透明性が高い方法を選択することをおすすめします。

おすすめのマンション大規模修繕工事業者3選

大規模修繕工事に豊富な実績のある施工業者のうち、特に評判の高い会社をピックアップして紹介します。

 

ジョスコム

施工実績
  • マンション・ビルはもとより、日本郵政(株)本社ビル、国会図書館など、有名な大規模建築物の修繕も多数手掛けている。
  • 平成26年マンションクリエイティブリフォーム賞受賞(マンション計画修繕施工協会)
会社の特徴

「信頼と品質と低コスト」を実現するため、請け負った工事は一貫して自社施工。 情報の行き違いがなく、満足度の高い工事をしてもらえる。
マンション・ビルの修繕工事実績が豊富な上、日本郵政の本社ビルや 国立国会図書館なども手掛ける信頼性の高い会社。
1人1人の作業員が熟練の技術を持ち、納期と完成度にこだわっている。作業スタッフの人柄や対応も 丁寧で親切と評判良好。

 

ヨコソー

施工実績
  • 鶴岡八幡宮等の寺社塗装工事、関越自動車道片品川橋中塗装工事、鉄塔塗装工事など実績多数
  • 修繕工事を手掛けて100年の実績あり
会社の特徴

神奈川県を中心に、関東圏で多数の実績を誇るマンション・集合住宅の修繕専門工事会社。建築の美と機能への限りなき挑戦をモットーとしている。
年間を通じて、社員研修イベントを定期的に開催。協力業者にも参加してもらいながら、品質管理・安全管理、環境衛生管理などの指導を行っている。
ホームページに、自社工事でトラブルがあった場合の問い合わせ窓口を設けるなど、企業姿勢が誠実。

 

リノ・ハピア

施工実績
  • 1964年に設立された大規模修繕業者
  • 50年に及ぶ実績の中で、団地・アパートなどを多数手掛ける
会社の特徴

独自の耐震工法(耐・スリ・ゴン)を開発するなど、質の高い業務を行うために試行錯誤を繰り返しながら技術を高めている。
「快適性と安全」「プロフェッショナルとしての最高品質」という2つのポイントにこだわって、サービスを提供している。
見えないところまで手を抜かない、という意識が行き届いており、スタッフの対応力が高い。

まずチェックして
おきたいおすすめの
施工業者リスト

以下は、関東圏で良く知られている大規模修繕業者の一覧です。それぞれについて、サービス内容や口コミについて調べてまとめてみましたので、信頼できる業者を探している人はぜひ参考に目を通してみてください。

 

どんなに頑強な建物でも、年月が経てば老朽化は避けられません。快適性を取り戻すためには、大規模な修繕が必要です。そもそも大規模修繕とは?タイミングや費用、期間って?といった基礎知識を紹介しています。

そもそも大規模修繕とは

そもそも大規模修繕とは、どのようなことをするのでしょうか?国土交通省は、マンションでの大規模修繕を築12年を目安に行うよう定めています。作業内容は主に、屋上やバルコニー、外壁、鉄部、コンクリート、タイルなどの補強・補修となっています。

具体的になにをするか

マンションの大規模修繕は、まず管理組合や理事会が計画を立案し、建物の状態をチェックします。その後資金を準備します。この資金は分譲マンションであれば、毎月「修繕積立金」という形で集められています。資金が用意できたら次は業者の選定を行い、着工となります。

行うべきタイミング・時期

マンションの大規模修繕は、基本的に12年~15年間隔で行われます。これは、マンションに限らず建物には、塗装剤、防水材、タイルなどなどさまざまな部材が用いられていますが、これらのメーカーによって設定されている保証期間がだいたい10年前後となっているからです。

費用相場

大規模修繕の費用は、一般的には1戸あたり100万円前後とされているので、総合的な費用はマンションの規模によっても変わってきます。またこの費用は毎月入居者から「修繕積立金」として集められています。

大まかな進め方

マンションの大規模修繕は、まず修繕委員会の結成から始まります。そこから診断や検査を経て、工事業者の選定、予算の決定を行います。そして最後に総会決議を経て、いよいよ工事が開始されます。

かかる期間

マンションの大規模修繕には、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?計画の立案時から数えると、一般的に着工までに1年から1年半程度。着工から工事完了までは、小規模なマンションなら2~3ヶ月、大きいところなら7~8ヶ月ほどかかります。

よくあるトラブル

マンションの工事については、しばしばトラブルが発生します。よくあるのが、工事終了後、短期間で不具合が見つかるケース。これについては工事の監理の徹底やアフターサービスの確認が有効です。入居者からのクレーム防止には、工事について周知徹底するのが基本です。

マンションの修繕工事については、コンサルタントや業者任せにせず、必ず住民が主導権を握るようにしましよう。また、積立金の不足が起こらないように計画を定期的に見直すことも重要です。業者も慎重に選び、信頼できるところを見付けましょう。

適正工事の選定について

マンションの修繕工事を適正に進めるためには、住民が主導権を握ることが大切です。自分のマンションでどのような工事が行われているのかをしっかり把握しておきましょう。また、見積り依頼は条件を統一した状態で提出するようにしましょう。

長期修繕計画について

マンションの修繕工事を行うには、長期にわたる修繕計画が必要です。マンションの長期修繕計画については、国土交通省が「計画期間」「推定修繕工事項目」「修繕周期」「推定修繕工事費」「収支計画」の5点に基づいて計画をたてることを推奨しています。

業者選定について

マンションの修繕のための業者を選ぶには、競争入札方式、見積り合わせ(公募型プロポーザル方式)、特命随意契約方式の3つの方法があります。おすすめなのは、実績や能力を総合的に判断することができる見積り合わせです。

大規模修繕の業者選定のポイント

大規模修繕の依頼先である業者を選ぶにはどのようなことをチェックすればよいのでしょうか。ポイントは大きく3つあります。

業者の種類を知る

ゼネコン系

ゼネコン系の特徴は知名度が高く、実績が豊富なこと。名前が知られているため安心感があります。また、一般的に施工管理力や技術力が高い傾向にあるようです。

一方、大規模修繕工事専門の施工業者と比べて、大規模修繕工事に特化した経験や実績はあまりありません。大規模修繕は居住者がいるなかで工事するという特殊な環境での工事なので、工事の進め方や住民との接し方に慣れているところにお願いするほうが良いでしょう。

管理会社系

管理会社系の特徴は、普段からマンションの管理を行っているため住民対応がスムーズであること。建物の管理が得意なので、建物を一番良く知っているという信頼性があります。

ただ、建物を管理している当事者であるため、第三者目線で見るのは必然的に苦手。調査診断や設計、施工がしっかり行われるか若干の不安が残ります。そのため、今までの実績についてしっかりと調べたほうが良いでしょう。

専門業者系

専門業者系の特徴は大規模修繕の実績が豊富であり、施工品質が高い場合が多いこと。大規模修繕に特化した企業ならではのコストを抑えた工事を実施しています。ただ、業者によって得意分野があるため、希望している工事内容に詳しい業者を選ぶことが大切です。

業者の実績を知る

業者選びで大切なことは業者の実績を知ること。施工実績があるほど、ノウハウを持っていることが多いと言えます。多くの人が暮らしているマンションで施工をするということは、ある点で新築以上にデリケートな作業を必要とします。そこで重要なのが施工実績です。

多くの施工を頼まれているということは、施工品質はもちろん、住民からの苦情が少ない工事をしてきた証拠でもあります。安心してお願いするためにも、大規模修繕の実績が豊富な業者を選びましょう。

業者の経営状態を知る

業者選びでは施工業者の経営状態を知ることも大切です。大規模修繕の施工が完了しても業者との付き合いは続きます。次の修繕までは約10年。定期点検を行い、不具合発生時には補修が必要です。そのため最低10年以上存続できる会社にお願いする必要があります。

業者の経営状態を知るには、会社のホームページを確認すること。見るポイントは実績数や主要取引会社、完成工事高(売上)です。実績数が多く、主要取引会社が大きければ、今後とも安定した受注をとることができるでしょう。また、売上が上昇傾向であれば、存続しやすいと言えます。

※免責事項※
このサイトは、個人が備忘録としてまとめたものです。
最善の注意を払ってはいますが、一部に間違いがある可能性もございます。
ご了承ください。また、各業者の最新情報は、各公式ホームページでご確認ください。

大規模修繕を得意とする
施工会社3選

カッコ

ジョスコム

ジョスコム
二重線

お薦めPOINT

二重線

自社施工による一貫工事で低コスト・高品質を実現。
住民とのやり取りを重視した、正確な仕事に定評。
国立国会図書館の修繕も手掛けるなど施工技術は折り紙つき。

カッコ 線 カッコ

ヨコソー

ヨコソー
二重線

お薦めPOINT

二重線

100年以上もの実績を誇る大規模修繕工事業者。
建築美と機能への挑戦をモットーに、質の高い工事を提供。
光触媒や環境対応型塗料の使用など、時代に応じた施工を提案。

カッコ 線 カッコ

リノ・ハピア

リノ・ハピア
二重線

お薦めPOINT

二重線

独自に工法を開発するなど、質の高い工事を追求。
プロ意識の高い、見えないところまで手を抜かない施工に定評。
住民の生活までしっかり見据えたサービスを提供。

カッコ