大規模修繕の流れ~4、見積もりから業者選定~

施工業者を選ぶ際の注意点をポイントに絞って紹介しています。

大規模修繕工事の業者選定について

大規模修繕工事でもっとも大切なのが、「工事をどこの会社に依頼するか」ということです。

工事を依頼できる会社は、大手ゼネコンや地元の工務店、またマンションの管理会社などいくつかの選択肢があります。

その中でなるべく低コストで高品質の工事をお願いできる業者はどのように選んだらよいのでしょうか?

施工業者を選定する際に必要なのが「数社から見積りを取る」ことで、相見積もりと呼ばれます。

例えば個人的に引っ越しを行う際、いくつかの業者を見積もりに呼んで、最も安くてサービスの良さそうなところに決めよう、ということと同じです。

相見積もりを行うと業者同士が価格面・品質面で競い合うため、1社のみから見積りを取った場合よりも結果的に費用が安くなる場合が多いのです。数社に見積もりを依頼した方がコストを抑えられ、品質の高い工事を発注できる可能性が高くなると言えます。

数千万単位の高額を支払う工事ですから、しっかりと比較したうえで、信頼できる施工業者を見つけましょう。

大規模修繕の相見積もりを取る前に~比較しやすくするための準備

コストをなるべく抑えつつも、必要十分な修繕工事を行ってもらうためには、相見積もりで適正な業者を選ぶことが肝要です。

しかし、一般的に見積もりの内容は、工事が必要な箇所や工法、材料の種類・量などがそれぞれの業者の方式で記載されていることが多く、専門用語が多いため素人が見ただけでは、どの見積もりが適正なのかわかりにくいことが多いようです。

そのため、見積もりを依頼する際には必ず「条件をそろえた状態での見積もり」をお願いしましょう。

この場合の「条件」とは、どの場所にどの工法で補修を行うか、期間はどれくらいで、塗料や補修材料はどのメーカーの何をどれくらい使用するかなどを指し、これらをしっかりと指定した形で見積もりを依頼するのが理想的です。

これらの条件を設定するためには、以下の3つ必要となります。

  • 建物診断報告書
  • 修繕計画書
  • 修繕仕様書

まずは管理組合やコンサルタントに建物診断を依頼し、必要な情報をそろえましょう。報告書や仕様書の内容を、修繕委員会できちんと検討することも大切です。

見積もり以外でチェックしたい業者選定のポイント

条件をそろえて相見積もりを依頼することで、見積もりの内容が分かりやすく、より比較しやすくなります。

費用面と工事の内容で施工業者はおのずと決まってくるはずですが、完全に決定する前に、+アルファとして考えておいた方が良いポイントを紹介します。

マンションを建築した業者にとらわれない

マンションの大規模修繕を考えたとき、建築した業者のほうが建物のことをよく知っているからスムーズに工事が進むのでは?と思う方もいるかもしれません。

けれど、実は大規模修繕で行なわれる外装補修や設備関連工事などの工法は、どの業者でもほとんど同じ。そのため、建築した業者でなければ工事ができない、ということはないのです。

また、同じ業者に修繕を依頼した場合、修繕の際に見つかった建築時の重大な不備を保身のために隠ぺいする可能性もあります。失敗しない大規模修繕を行うためには、建築した業者にとらわれず、実力や業績が確立した施工業者を選定することが大切です。

管理会社にすべてをおまかせしてしまうのも要注意。馴れ合いのある建築会社を選定されてしまい、後々になって、工事内容や金額が適正ではなかったと後悔するはめになるかもしれません。マンションの管理会社が建築会社の子会社で、親会社を推薦されたとしても、あくまでも提案として受けとめましょう。

特定の業者にこだわらず、さまざまな施工業者を選択肢に入れて比較検討することが、満足いく大規模修繕につながるポイントです。

実績が確かかどうか

業者を選定する際にまずチェックして欲しいのが「建築会社の実績」です。

マンションの大規模修繕工事は、住民が居住しながらの長期間の作業になります。そのため、騒音やホコリ、振動、プライバシー対策など、さまざまな配慮が必要です。

一時的な作業ならまだしも、長期間となると住民の我慢も限界となり、ストレスが溜まってしまいます。配慮が不足していると、マンションから人が離れていってしまう原因にもなりかねません。

また、近隣の住民からのクレームや足場を伝っての空き巣、バルコニーから物が撤去されておらず工事が施工できない、などのトラブルが発生する可能性も。

建築会社の対応=マンションの評判につながるため、大規模修繕工事の実績やノウハウをどれだけ持っているかがとても重要になるのです。

業者を選定する際は、今までどのような修繕実績があるのか、戸数や階数などの規模もしっかりチェックしておきましょう。

多くの実績を持つ建築会社は、それだけの経験とノウハウがあるということなので、大規模修繕で起こりやすいトラブルにもしっかり対応してもらえます。

現場監督代理人の修繕工事実績

建築会社の実績はもちろんですが、業者との窓口になってくれる「現場監督代理人の実績」も重要です。

現場監督代理人は業者から専属で派遣され、工程や品質、安全など工事に関わるさまざまな管理や対外折衝を請け負ってくれる存在。そのため、どれだけの修繕工事に携わってきたのかの実績をチェックしておくようにしましょう。

経験の浅い現場監督代理人だと、業者とのやり取りがうまくいかなかったり、工事の進捗状況がスムーズに把握できなかったりしてしまいます。また、何かトラブルが発生した際も、迅速に対応してもらえないかもしれません。

大規模修繕工事に多く関わっていれば、それだけ起こりやすいトラブルやスムーズなやり取りを熟知しているので、依頼する管理組合としても心強い味方になってくれるはずです。また、現場代理人は工事の総合的な管理を担っているため、経験があればあるだけ、スムーズな工事進行をしてもらえます。

大規模修繕は長期間の工事になるので、現場監督代理人とうまくコミュニケーションできるかも大切なキーポイントです。

現場監督代理人は、管理組合だけではなく、住民とのやり取りも担っています。大規模修繕は住民が居住しながらの工事になるため、住民の協力は必要不可欠。

そのため、管理能力はもちろん、住民ともスムーズなやり取りができるコミュニケーション力の高い人材がいる業者を選定するようにしましょう。

経営状態がよいかどうか

業者を選定する際は「工事にかかる費用」や「実績」にばかり注目してしまいますが、「経営状態」もしっかりチェックしておきたいポイントです。

業者の中には、赤字続きのギリギリの状態で経営している会社もあり、工事後に不備が見つかったときには倒産していたというケースもあります。

マンションの大規模修繕のタイミングは、新築から12~13年後、または前回の修繕から10年程度が一般的。工事完了後も定期点検や不具合の補償などで長期的な付き合いが必要になるため、次の修繕工事までの10年間は倒産しない業者を選ぶ必要があるのです。

経営状態を確認する際は、会社のHPで資本金や従業員数、設立した年などの基本的な情報をチェックしましょう。ただし、それだけでは経営状態の良し悪しは判断しづらいもの。

上場している会社であれば公開されている財務状況から経営状態を確認できます。そのほかの会社の場合は、帝国データバンクをはじめとする企業信用調査会社の活用がおすすめです。

帝国データバンクでは業歴や資本構成、会社の規模、損益、資金現況、経営者、企業活力の項目から会社を評価。評点を見ることで、経営状態が安定しているかどうかを確認できます。

企業信用調査会社の利用は、手間やコストを考えて面倒に感じるかもしれません。しかし、マンションを10年後、20年後と長く維持するためには、しっかりと事前に調査しておくことが重要です。

工事保証・アフターサービスの内容について

大規模修繕工事はマンションの維持はもちろん、住民に快適に居住してもらうためのものです。そのため、工事保証やアフターサービスが充実しているかも大切な選定ポイントになります。

マンションは紫外線や雨、風に365日さらされ続けているので、どうしても建物の劣化から避けられません。

建物の維持には定期的な点検とメンテナンスが必要不可欠。業者を選定する際は、保証書の発行や制度があるか、満足できる点検やメンテナンス対応をしてもらえるかを確認しましょう。アフターメンテナンス専門の担当者がいるかをチェックしておくことも大切です。

大規模修繕の工事後に、雨漏りや給排水の不具合などの緊急トラブルが起こる場合もあります。マンションの住民の日常生活に支障をきたすため、緊急時でも対応してもらえるかの確認をお忘れなく。

マンションの大規模修繕のタイミングは一般的に以前の修繕から約10年後だと言われているので、長期的なスパンを見据えたうえでアフターサービスをしてもらえるかが重要です。

管理組合としても、マンションの劣化防止、住居環境の向上を目指して保証やアフターサービスの充実した業者を選定するようにしましょう。

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