大規模修繕にかかる期間

着工から工事完了までの期間はどれくらい?各種工事にかかる日数をまとめています。

大規模修繕工事の着工から完了までの期間

大規模修繕工事の計画が立ちあがってから、実際の着工までは通常1年~1年半程度かかると言われています。その間に行われるのは、修繕委員会の結成、建物診断、工事計画の設計、相見積もり等、内容は多岐にわたります。

施工業者と工事内容が確定し、総会での承認を経て工事請負契約を結ぶと、いよいよ着工となります。

着工から工事が完了するまでの期間は、工事の内容や範囲にもよりますが、小規模マンション(50戸以下)で2~3ヶ月、大規模マンション(50戸以上)は5~8ヶ月程度かかる場合もあります。

かなり長期間にわたる工事なので、住民の生活にも少なからず影響が出ることが考えられます。

住民の生活への影響と言えば、そのマンションの住民だけの話では終わらないことも考えられます。とくに、工期が長ければ長いほど外部への影響は軽視できない部分です。具体的には、工事用車両の出入りや騒音、振動、落下物など周辺住民への配慮が必要になってきます。

そのため、大規模修繕の着工に先立ち、周辺住民へのあいさつ周りの必要性なども検討すべき事柄のひとつです。

それでは、一般的な大規模修繕工事で行われる主だった工事について、どの程度の期間がかかるかを見てみましょう。

労働基準監督署に足場工事の届出…30日

大規模修繕と聞くと、まず思い浮かぶのが足場ではないでしょうか。しかしその足場を組むためには、まず労働基準監督署に足場工事の届出を出さなければなりません。

しかも、届出するタイミングは、工事開始の30日前までとなっています。届出後、30日の期間を待って、ようやく足場工事を始めることができるようになります。

ただし、つり足場、張出し足場以外で高さが10メートルに満たない場合か、組立てから解体までの期間が60日に満たない場合は届出の必要がありません。

したがって、大規模修繕工事のなかでも、小規模なマンションの場合は届出なく着工できるケースもあるでしょう。とはいえ、多くのケースでは届出が必要になると考えられます。

仮設工事・足場架設(30~50戸の場合)…10日~15日程度

長期間にわたり行われる大規模修繕工事で、まず初めに行われる準備段階の工事です。資材置き場や作業員の詰め所、洗い場などの設置に1~2日。

マンションの外周をぐるりと覆う形で架設される足場の組み立てに平均10日~15日程度かかります。もちろん、マンションの規模や工事内容によって前後します。

下地補修・シーリング・鉄部塗装…2週間~1ヶ月程度

足場が架設されたら、次に壁などの下地や目地部分の補修・洗浄が行われます。

ひび割れ・爆裂部分の補修やシーリング打ち替え工事などを行った後に、高圧洗浄で汚れやコケなどを洗い流します。

1ヶ所の作業にかかる時間は1日~数日程度ですが、広範囲で行う場合は、いくつかの作業を掛け持ちで行っても、かなりの日数を要します。

防水工事・外壁塗装工事…1ヶ月~3ヶ月程度

下地を補修・洗浄し、いよいよ仕上げとなる防水加工や外壁の塗装作業に入ります。防水・塗装作業はまず、塗料を塗らない部分をシートで覆うなどの養生作業から始まります。

その後、下塗り→中塗り→上塗りと、最低でも3回は塗装作業をくり返します。劣化状態によっては下塗りを2回行うこともありますし、上塗りの上にさらにトップコートを重ねる場合もあります。

中塗りと上塗りの色味を微妙に変えて塗るようにしてもらうと、塗装作業がどこまで進んでいるのか一目瞭然で、安心して工事を任せることができます。

防水工事においては、採用する工法によっても工程が大きく異なるため、工事にかかる期間が違ってきます。

以上が、大まかな工事期間の目安です。

大規模修繕の期間に影響する注意点

小規模マンションの短期間工事でも2~3ヶ月、大規模マンションになれば8ヶ月くらいかかることもある大規模修繕工事には、いくつか注意すべき点があります。そのときになってからでは工事の期間に大きく影響するケースもあるため、事前に確認しておく必要があります。

ちなみに、工事期間中に発生するトラブルには、事前の準備不足がかかわっているものも多いといわれています。

専門委員会の設置

工事期間中に住民側の担当者が入れ替わるなどの出来事があると、円滑な工事の進捗に支障をきたすおそれがあります。それを防ぐには、できれば最初の段階で大規模修繕工事専門の修繕委員会などを設置することが重要です。

工期に影響する仕様変更を抑える

大規模修繕の工事にかかる期間を考えるとき、実際に作業を行う日数だけを見ても意味がありません。施工の途中で、部分的に単なる修繕に加えて機能アップへの希望が出ることもあるでしょう。金額的な面が折り合えば問題はないかもしれません。

しかし、当初の予定にない仕様変更をした場合、準備に日数を要することもあります。手待ち時間を他の工事に振り分けられればよいですが、そう都合よく片付く保証もないでしょう。その結果、想定外の工期となることもあり得ます。工期を延長したくないと考えるなら、工程に影響する仕様変更は除外すべきです。

セキュリティーの取り組み

着工前に行う住民説明会では、工事期間中に考えられる各種の問題や制限事項の周知がなされるでしょう。その中でも、防犯面の問題は特に重要だといえます。少なくとも、足場を組んでいる期間中は、外部からの侵入が容易になると考えておくべきです。足場を侵入者が利用することに加え、周囲を覆っているシートが賊の姿まで隠してしまいます。

この辺りについては、金網養生や開口部の施錠などで対応することになります。しかし、どこまでしっかりと対策がなされるのかを事前に確認しておくべきでしょう。そのうえで、各住民に工事期間中における防犯意識の向上を呼びかける必要があります。

各戸でできることとしては、通常の戸締りに補助錠の追加、カーテンによる室内の目隠しなどがあります。万一に備えて、金品を置かないという対策もありでしょう。

万一、工事中に盗難事件などが発生してしまうと、捜査などの関係で予定どおりの期間では工事が完了しなくなるおそれが生じます。

安全対策と自衛意識

工事車両の往来や工事機材、落下物その他による住民の受傷事故を防ぐには、管理組合や修繕委員会、施工会社の対策が重要であることは間違いありません。しかし、個々の住民の意識が高まっていない状況では万全とはいえないでしょう。

過度に神経を使う必要はありませんが、いつ事故が起きても不思議ではないという意識をもって、危険な箇所へは近付かないなどの自衛策を講じることが大切です。そうすることが、大規模修繕の期間を予定どおりに終わらせることにもつながります。

お互いの協力意識

安全面と共通することでもありますが、大規模修繕を予定どおりの期間で終わらせるには、施工側と住民側がお互いに協力して進める意識を持つことが肝心です。施工側が住民の生活に配慮しつつ工事を行うのは当然ですが、住民側も工事の妨げになるような行いには注意しておくべきといえるでしょう。

たとえば、工事用資材の置き場所や工事用車両の通行場所での駐車や雑談、子供の遊びなどです。また、工事状況に応じてベランダの鉢植えや荷物なども片付けておく必要があります。大規模修繕の進行に支障が生じれば、住民もなんらかの形で損をすることになりかねないです。

工事回数を重ねるごとに改修ポイントも増える

マンションも建物である以上、いちど大規模修繕工事を行えば、それ以降はずっと安心というわけには行きません。時間が経てば老朽化が進むことは避けられませんし、地震などの災害が起こればダメージを受けます。

マンションの大規模修繕の周期は、一般的に12年周期と考えられています。建築基準法においては、平成20年4月に法改正が行われて基準が厳しくなり、「竣工・改修から10年経過している建物は、3年以内に外壁の全面打診検査を行うこと」が義務付けられています。

このように、マンションの大規模改修工事は定期的に継続して行わなければいけないわけですが、そのたびに工事を行う場所と費用が増えていくことになります。建物の劣化の度合いは一律ではないため、前回の工事で補修していなかった部分が次のときには老朽化している可能性があります。

基本的な考え方として、修繕箇所は過不足なく選択することが前提となります。しかし、その結果として、数年後に再度足場などの仮設工事を前提とした修繕を行う箇所が出るようなら、少し早くても今回の修繕で一緒に済ませておく方が効率的だといえるでしょう。

大抵の場合大規模修繕は、まず外壁、その次は建物内部の各所のパーツ、そして次には建物内の主要な設備という順番に補修が必要になるでしょう。また、大規模災害などをきっかけに法改正が行われれば、それに合わせた改修が必要になります。

このように、マンションの大規模改修工事は1回では終わらないこと、それに合わせて改修ポイントや費用が増えていくことはしっかり覚えておきましょう。

構造物・設備の耐用年数

ここでは、マンションの各種構造物や設備ごとの耐用年数について見ていきましょう。

建築・外構

  • 防水工事(屋根・屋上・ルーフバルコニー)
    修繕周期:5年、改修周期:10年~15年
  • 外壁工事(タイル・吹付け・塗装)
    修繕周期:5年、改修周期:7年~10年
  • 塗装工事(鉄部・建具)
    修繕周期:2年~5年、改修周期:5年
  • 外壁シーリング工事(外壁・金物等)
    修繕周期:5年~6年、改修周期:10年
  • 建具・金物工事(金物・手摺・建具等)
    修繕周期:10年、改修周期:30年
  • 内部工事(エントランス・廊下等共用部のみ)
    修繕周期:10年、改修周期:15年
  • 外構他付帯施設工事
    修繕周期:10年、改修周期:15年

空調

  • 空調設備工事(空調機等)
    修繕周期:5年、改修周期:15年
  • 換気設備工事(換気扇等)
    修繕周期:10年、改修周期:30年

電気設備・給排水衛生設備

  • 幹線設備工事(幹線・設備配電盤等)
    修繕周期:10年、改修周期:25年
  • 電灯コンセント設備工事(電灯・非常照明等)
    修繕周期:5年、改修周期:25年
  • 弱電設備工事(アンテナ・自動火災報知器)
    修繕周期:5年、改修周期:25年
  • 避雷針設備工事
    修繕周期:10年、改修周期:30年
  • 給水・排水設備工事(給水・排水管)
    修繕周期:10年、改修周期:15年
  • 給湯設備工事(給湯器・給湯菅)
    修繕周期:5年、改修周期:10年
  • 衛生器具設備工事(衛生器具)
    修繕周期:5年、改修周期:25年
  • ガス設備工事(ガス配管)
    修繕周期:10年、改修周期:30年

参考:大規模修繕時期の目安-大規模修繕工事(リニューアル)|京王建設
https://www.keio-const.co.jp/renewal/moment.html

もちろん、マンションの規模や、施工業者、工事の方法などによって、工事期間は変わってきます。また、大規模修繕で行われる工事はこの他にもあります。

自身のマンションで具体的にどれくらいの工事期間が必要かは、見積もりを出す際に各業者に確認してみるとよいでしょう。

大規模修繕を得意とする
施工会社3選

カッコ

ジョスコム

ジョスコム
二重線

お薦めPOINT

二重線

自社施工による一貫工事で低コスト・高品質を実現。
住民とのやり取りを重視した、正確な仕事に定評。
国立国会図書館の修繕も手掛けるなど施工技術は折り紙つき。

カッコ 線 カッコ

ヨコソー

ヨコソー
二重線

お薦めPOINT

二重線

100年以上もの実績を誇る大規模修繕工事業者。
建築美と機能への挑戦をモットーに、質の高い工事を提供。
光触媒や環境対応型塗料の使用など、時代に応じた施工を提案。

カッコ 線 カッコ

リノ・ハピア

リノ・ハピア
二重線

お薦めPOINT

二重線

独自に工法を開発するなど、質の高い工事を追求。
プロ意識の高い、見えないところまで手を抜かない施工に定評。
住民の生活までしっかり見据えたサービスを提供。

カッコ